「FIRE(経済的自立・早期リタイア)」という言葉を聞くと、「独身や高収入家庭向けの話では?」と思う方も多いかもしれません。
しかし実は、子育て世代こそ計画的にFIREを目指す価値があるのです。
教育費や生活費がかかる今だからこそ、将来を見据えた選択が人生の自由度を高めてくれます。
本記事では、子どもがいる家庭がFIREを目指す場合に「いくら必要か?」「どう準備すべきか?」を、リアルな数字とともに解説します。
① 子育て世代のFIRE、必要額はどう変わる?
独身やDINKs(子なし共働き)と比べて、子育て世代はどうしても支出が多くなりがちです。
そのため、FIRE後の生活費を正確に把握することが第一歩です。
子ども2人、車1台の家庭を想定した年間支出シミュレーションは以下の通りです。
支出項目 | 年間費用(目安) | 補足 |
---|---|---|
生活費(住居・食費・光熱費など) | 約240万円 | 家族4人分の平均的な生活費 |
教育費(小中学生の塾・習い事など) | 約60万円 | 公立を前提 |
税金・社会保険(国保・住民税など) | 約20万円 | 無職・資産取り崩し時も必要 |
自動車関連費(保険・維持費・燃料など) | 約30万円 | 車1台保有想定 |
保険・医療費 | 約15万円 | 通院・民間保険など |
その他(レジャー・衣服・帰省など) | 約35万円 | 家族イベント含む |
合計:約400万円/年
② FIREに必要な資産額は?
FIREでは「年間生活費 × 25倍」で必要資産を算出するのが一般的です。これは「4%ルール」に基づいた考え方です。
「年間生活費 × 25倍」で計算します(4%ルール)。
年間支出:400万円 × 25 = 約1億円が必要です。
この金額を見て「無理かも…」と感じる方も多いかもしれませんが、副収入がある場合は必要額を大きく減らすことができます。
サイドFIREなら必要資産はもっと減らせる
副収入額 | 必要資産額 |
---|---|
年間50万円(ポイ活・メルカリなど) | (400-50) × 25 = 8,750万円 |
年間100万円(在宅ワーク・ブログなど) | (400-100) × 25 = 7,500万円 |
年間150万円(パート・クラウドワークスなど) | (400-150) × 25 = 6,250万円 |
年間200万円(自営業・スモールビジネスなど) | (400-200) × 25 = 5,000万円 |
👉 たとえば、子どもが小学生の間は副業で月3〜5万円稼ぎ、FIRE後もゆるく働き続けるなら、5,000〜6,000万円台でのFIREも現実味が出てきます。
🔍 補足:大学費用はこのシミュレーションに含まれている?
今回の年間支出シミュレーションには、子どもの大学進学にかかる費用(学費・仕送り・受験費用など)は含んでいません。
大学費用は、以下のように別途で事前に準備しておく必要があると考えておきましょう。
▷ 子ども1人あたりの大学費用(目安)
進学先 | 総額(4年間) |
---|---|
国公立(自宅通学) | 約300〜400万円 |
私立文系(自宅通学) | 約450〜500万円 |
私立理系・自宅外通学 | 約600〜800万円 |
👉 子ども2人で約1,000万円前後の備えが必要なケースも。
これらはつみたてNISA・ジュニアNISA(終了済)・高校無償化制度・奨学金活用などで別に準備しておく必要があります。
③ 子育て世代がFIREを現実に近づける3つの工夫
1. 支出の最適化(ムリのない節約)
- 固定費の見直し(通信・保険・サブスク)
- ふるさと納税で日用品や食費を軽減
- 家計簿アプリで「ムダな支出」を可視化
2. 副業による収入の多角化
- スキル不要:ポイ活、メルカリ、不用品販売
- 低リスク:ブログ運営、クラウドソーシング
- 将来性あり:デザイン、Webスキル、オンライン講師など
3. 長期の資産運用(新NISAの活用)
- つみたて投資枠をフル活用(年120万円×夫婦)
- 成長投資枠も組み合わせて10年・20年の複利運用を目指す
- 自動積立&長期放置で着実な資産形成
④ 子どもの成長とFIREのタイミングを考える
子どもの教育費がピークを迎える高校〜大学時期にFIREを目指すのは難しく感じるかもしれません。
そこでおすすめなのが、**フルFIREではなく「段階的なFIRE」**です。
- サイドFIRE:副業やパート収入と資産の併用
- セミFIRE:ゆるく働きながら自由な時間を確保
- コーストFIRE:一定の資産形成後、働く時間を減らす
👉 「子どもが大学を卒業したタイミングでフルFIRE」など、自分たちに合ったステージを選ぶことが成功の鍵です。
まとめ|「子育て世代のFIRE」は現実的に実現できる!
FIREは「一部の特別な人のもの」ではありません。
特に子育て世代にとっては、自分の働き方を選び、家族との時間を大切にする選択肢のひとつです。
そのためには…
- 年間支出を見える化
- 必要資産を逆算
- 副業・節約・投資を活用
…というステップで、少しずつFIREに近づくことができます。
子どもとの時間、自分の人生の充実を目指して、今できることから一緒に始めていきましょう!